緑内障を治療している方から
「毎日の点眼が大変」
「緑内障の点眼以外の治療法はありませんか?」
というお声をいただく事がありますので、今回は緑内障のレーザー治療について解説したいと思います。
■緑内障のレーザー治療(SLT)とは?
今回解説する緑内障のレーザー治療「SLT(選択的レーザー線維柱帯形成術)」は、非常に弱いレーザーを当てて、目のフィルターの目詰まりを取る治療です。
厳密には原理が異なるのですが、目が詰まった網をポンポンと叩いて詰まりを取るようなイメージを持つとわかりやすいかもしれません。
目詰まりが取れる事で流れが良くなり、眼圧の上昇が防げたり、ベースの眼圧の下降効果が期待できる治療法です。
■SLT(選択的レーザー線維柱帯形成術)のメリット
・多くの方が治療の対象となる
・眼圧が上がりづらくなる
・7~8割の方でベースの眼圧が下がる
・外来で10分程度で照射でき、日帰りで行える
・侵襲(体への負担)がほとんど無く、繰り返し治療が行える
フィルターの目詰まりが取れる事で、眼圧が上がりづらくなり、7~8割の方ではベースの眼圧が下降する効果が期待できます。しっかりと効果が出た方は点眼の種類が少なくなったり、中には点眼そのものが不要になる方もいらっしゃいます。
従来の緑内障治療は、点眼を行っても眼圧のコントロールができない場合に、レーザー治療や手術が検討されていたのですが、国内外の論文でこのSLTを最初に行う治療の効果が認められており、この治療を受ける方が増えてきています。
■SLT(選択的レーザー線維柱帯形成術)が適している方
・毎日の点眼が負担に感じる方
・忙しく点眼を忘れたり、定期的な通院が難しい方
・妊娠や授乳で薬の使用を控えたい方
SLTを受ける事で、点眼の種類や本数の減少が期待できますので、毎日の点眼が負担となっている方や、薬の使用を控えたい方に適した治療です。
当院でも緑内障のレーザー治療(SLT)を実施していますので、気になる方はスタッフか医師にお気軽にご相談ください。当院に通院されている方は勿論、他院で緑内障を治療中の方のご相談にも応じております。
編著:笠岡眼科 院長 眼科専門医 笠岡政孝